同性カップル・LGBTs支援
パートナーシップ宣誓制度の限界
2015年、渋谷区で始まった同性パートナーシップ証明制度は、今や全国の自治体に「パートナーシップ宣誓制度」として広まっています。
自治体の窓口もしくはインターネットでパートナーシップの宣誓や証明書の発行を行うことで、法定婚をしている男女カップルと同様に、その自治体においてさまざまなサービスが受けられます。
しかし、パートナーシップ制度のデメリットとして、法的効力がないことが挙げられます。
あくまで「宣誓や証明を行なった自治体の中で法定婚をしている男女カップルと同等に扱う」ための制度なので、法的な保護を目的とはしていないのです。
もしも、パートナーが突然亡くなってしまったら?
もしも、将来自分が認知症になってしまったら?
同性カップルは婚姻ができず、配偶者になれないため、どれだけ長く連れ添ったパートナーがいたとしても法律上は他人のままです。
パートナーが亡くなっても遺産を手にする権利は一切なく、また自分やパートナーの判断能力が衰えた時にそのままでは代理権が発生しません。
「結婚できない」ということは、愛するふたりの関係を証明できないだけではなく、もしもの時に何ら法的保護が受けられないというリスクを抱えている状態でもあるのです。
同性カップルと公正証書
婚姻ができない同性カップルが受ける不利益を解消する手段として、公正証書を作成し、パートナーとの公的な契約を結ぶことが挙げられます。
公正証書とは、公証人と呼ばれる一定の要件に当てはまる公務員の前で作成される書類です。
当事者間で結ぶ通常の契約書とは異なり、「公文書」と呼ばれる公的書類の扱いとなります。
契約内容の真正性が証明されるだけでなく、パートナーとの法的な権利義務を明確にすることができます。
例えば、下記のような内容で契約を結ぶことができます。
◆パートナーシップ合意契約 (準婚姻契約)
同性カップルが互いに協力し、責任を持って共同生活を送ることを誓約するための契約です。公正証書に定める内容は、パートナーと2人で自由に決めることができます。
- 財産(不動産、預貯金、株式など)の管理方法
- 医療、介護についての希望
- ペットの飼育に関する取り決め
- 同居義務についての定め
上記以外にも、パートナーと合意した内容を決めることができます。
◆任意後見契約
元気なうちに将来の認知症や病気などに備えて、代理人となる人を定めておく契約です。本人が判断能力を失った際に、財産管理や医療・介護に関する代理権をパートナーに与えることができます。
任意後見契約は、委任者(後見人となる者)と受任者(代理人)となる者を定めます。
その上で、医療・介護に関する権限(治療方針の決定、施設への入所手続きなど)、日常生活に関する権限(買い物、家事など)といった内容を盛り込みます。
亡くなった後の備えについて
カップルだけではなく、ひとりで暮らす方も「自分が亡くなったら、死後の手続きや遺産についてどうするべきか」を考えることがあると思います。
信頼できる仲間や友人に、死後のことを任せたい、という場合、その人との間で死後事務委任契約を結ぶこともできます。
死後事務委任契約とは、自分が亡くなった後の葬儀、遺産分割、財産管理などに関する事務を、信頼できる人に委任する契約です。
- 葬儀に関する事務: 葬儀の日程、場所、形式、火葬・埋葬の方法など
- 財産管理に関する事務: 預貯金の解約、賃貸不動産の解約手続きなど
- その他: ペットの世話、遺品整理などの内容
上記のような内容を定めることが可能です。
エンディングノートの作成をすることも選択肢の一つですが、死後の手続きについてより法的効力のある方法を取りたい場合は、死後事務委任契約を結ぶことも考えてみてください。
行政書士がご相談に乗ります
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パートナーシップのその先の未来について、一緒に最適な解決策を模索していきましょう。
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Emu行政書士事務所
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