「遺言」の基本について・どんな種類がある?
1.遺言とは何か?
遺言とは、自分が亡くなった後、自分の築き上げた財産を、有意義に活用してもらいたいという意思表示を行うための文書です。
遺言には、遺言自由の原則というものがあります。これは遺言をする・しないの自由だけでなく、一度残した遺言を撤回したり、変更したりする自由があるということです。
そのため、遺言を一度書いた場合でも、内容を変更することが可能です。
「遺言を残すことを検討しているけど、どうやって残したらいいの?」という方から「まだまだ元気だし、遺言を残すのは早いと思うけど?」と思う方など、遺言について知りたい方に向けた「遺言の基本」について解説します。
2.そもそもなぜ遺言が必要なのか?
2-1.遺言を残さなかった場合に起こりうること
遺言書がない場合、亡くなった後は民法の法定相続分の規定にしたがって遺産が分割されます。法定相続分では財産の割合のみ規定されているので、具体的な財産の帰属を定めるためには遺産分割協議を行います。
しかし、遺産分割協議には相続人全員の合意が必要となるため、相続人同士での話し合いがまとまらないこともあります。その場合は家庭裁判所での審判や調停の手続きを行うことになりますが、精神的・肉体的にも負担が増えるばかりでなく、深刻な家族間での争いが生じることがあります。
また、特定の家族に特別な配慮をしたい場合や、特定の人に多くの財産を遺したい場合、遺言書がないとその意志が反映されず、遺言者の意志とは異なる分配が行われる可能性があります。
2-2.遺言は誰が残すことができる?
遺言は満15歳から残すことができます(民法961条)。
また、遺言を遺す者がその内容を理解し、ひとりで有効な遺言を行う能力(遺言能力)が必要となります(民法963条)。
なお、遺言能力は遺言を残した時点での能力が基準となりますので、有効な遺言を残した後に認知症などになってしまった場合でも、遺言は有効となるケースが一般的です。
3.遺言の種類について
遺言には、普通方式遺言と特別方式遺言があります。
一般的には普通方式遺言がよく使われるため、特別方式遺言については割愛します。
自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類と、それぞれのメリットとデメリットを下記の表のようにまとめました。
上記のうち自筆証書遺言は最も手軽に作成できますが、民法によって規定された様式に不備があると、残した遺言が無効になってしまう可能性があります。
自筆証書遺言について詳しくはこちら
それぞれの遺言の特徴やメリットデメリットを理解した上で、早いうちから最適な方法を検討してみましょう。
4.遺言については当事務所にご相談ください。
遺言は、遺産相続におけるトラブルを未然に防ぐための重要な手段です。遺言書を残すことで、遺族間の争いを避け、遺産分割がスムーズに行われるようにすることができます。
当事務所では遺言作成のご相談を承っておりますので、ぜひ一度ご相談ください。
Emu行政書士事務所
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